長梅雨による災害が相次いでいます。この度の豪雨災害で亡くなられた方へご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。

　北アルプスがある長野県・岐阜県も大きな被害を受け、上高地周辺は土砂災害、水害等でたくさんの登山道が通行できなくなってしまいました。しかし、懸命の復旧作業により、ようやく大多数の施設が営業を開始しています。蝶ヶ岳ヒュッテも、そんな梅雨空の下ひっそりと営業を開始しました。７月１５日から軽食やお土産販売、テント場の運営を。２０日からは完全予約制による宿泊営業もスタートです。

　小屋番になって十数年ですが、自然の豊かさや美しさを共有できない辛さを感じる日々は初めてでした。登山自粛や駐車場閉鎖の中、登山者の皆様と気持ちよく挨拶することもできずに、モヤモヤとした気持ちになることもありました。そして迎えた営業初日…大雨だったこともあり、たった一組のお客様。バッヂを一つ買いに寄ってくださったときに「こんにちは。お疲れさまです。」と言えたときは、涙が出るほど嬉しく他のスタッフとともに喜びをかみしめました。

　スタッフは、マスクをしていたり距離を取っていたり、ビニールカーテン越しに対応します。表情が見えづらかったり、声がこもったりしていますが、皆様をお迎えすることができる喜びを全身で感じています。私たちはコロナウィルスの仲介役にはなりたくありません。相手を思いやる距離を保って、安全対策をして、一緒に山を満喫しましょう！